恋と愛と優柔不断
⇒「初恋限定。」第一回人気キャラ投票開催ッ!(これまでのまとめ付き) (マンガがあればいーのだ。)
ジャンプ連載中の『初恋限定。』の1巻まとめ&人気投票。
この記事のおかげで、初めて『初恋限定。』を読んでみたくなりました。これぞレビュー記事の鏡ですね!
そもそも、『初恋限定。』はオムニバス形式だということを知りませんでした。
これだけで、オムニバス好き(特に舞台や登場人物が共通で視線が変わる形式)の血が騒ぐぜ…!!
それに、この形式なら、「優柔不断で中途半端な行動をとる主人公」にイライラしなくて済みます!
いや、河下先生の前作『いちご100%』だけを指すわけではなく(もちろん思いっきり含んではいますが)、
少年漫画のラブコメをなかなか読み続けられない理由がほとんどこれなので。
もちろん少女漫画でも、主人公の行動にイライラすると読みづらいですよね。感情移入って大事。
逆に『いちご』や『スクールデイズ』のように、そのイライラを楽しむ…!という見方も最近多い気もするのですが、
これはネットの力も大きいですよね。
みんなで「誠死ね」と言いあうことで、主人公に共感するのではなく、受け手同士で共感し合うというか。
この楽しみ方は、まず第一にかなりの根気が必要だと思うので(笑)、まだカナタはその輪に入れたことがありません。
基本的に、「二人の女の子(男の子)、俺(私)はどっちを好きなんだろう…」と悩まれると、駄目なんですよね…。
何かはっきりとした行動を起こしてくれるなら、いいんです。
たとえば、好きな男の子とうまくいかなくて、
そんな時中学時代に仲の良かった男友達に告白されて、
「この人となら、楽しくやっていけるかも…」と付き合ってみたものの、
「やっぱり、ごめん…!!」と振ってしまう。
これはありなんです。
その方向性はどうであれ、主人公が決断して次に進んでくれるので。
極端な話、「よし、どっちの子とも付き合ってみよう!」でもまだOKかも。
ただ、その答えを出すのを先送りにして、周囲(=相手の行動)に流されていくパターンが一番苦手。
主人公には、自分が傷つくことを恐れずに、とにかく前へと進んで行ってほしいわけです。
とはいっても。
現実にも、こうやって悩んでる人がいるんですものね…。
カナタがこういった話で一番違和感を感じるのは、
彼女は仕事が忙しいので、一緒に住んでる僕と過ごす時間が彼女の中ではかなり癒しになっており、
僕に依存しきって生きてる。
そんな可愛い彼女を振るのはあまりにも残酷で惨くて、ひどい仕打ちだと思う。
振った場合に彼女が受けるであろう衝撃の大きさを考えると、とても言えない、できない。
こういう部分。
"相手のことを考えると…"とか"恋愛対象としてではなければ好きなんだけど…"と悩んでいる人を見ると、
どうしてもイライラしてしまいます。
ちゃんと、傷つけ合う覚悟を持って恋愛してよ!!と言いたくなる。
家族以外の、自分の人生の中で出会った人と気持ちが通じて好き合える、
相手に自分の存在を受け入れて貰える、というのは、すごく奇跡的で幸せなことだと思います。
ただ一方で、それは濃密な分、崩れやすい脆い関係です。
ひとたび崩れてしまえば、上手くいけば得られた大きな幸せの分だけ、傷を負うことになります。
これは、理屈ではなく事実です。
人を好きになる気持ちがどうしようもないことと同じ。避けることはできません。
でも、だからこそ、その事実に向き合うべきだと思う。
彼女を傷つけることはできない、だから彼女との関係を守る。ではなく、
なにより、自分が今彼女の存在をどう感じているか、でしょう?
以前と比べて…などではなく、「今」、彼女をどれほど大事だと思っているのか?
彼女との関係をこのまま維持したいと心から思っているのか?
そもそも、恋愛感情は、善悪で判断できるものではないと思います。
傷つけること=悪いこと、ではない。
そう定義して安心しようとする時点で、
恋愛の幸せな側面だけを観て、裏側のリスクから目を逸らしているということだと思います。
「目の前に現れた魅力的な別の女性に心惹かれてしまうことは悪いことです」
「二股をかけるなんて許されない!」
という話ではないのです(結婚した場合法律的には善悪で判断されますが)。
新しく現れた女性にそこまで惹かれるのならば、気持ちを伝えればいい。
今の彼女にそのことを隠していられないのなら別れをきりだせばいい。
そして、これは賛否別れるところだと思いますが、両方の女性を大事にしたいのなら、
それだけの努力、そしてもちろん両方を失う覚悟を持って、両方の関係を維持しようとしてみればいい。
その器があるのかどうかは本人次第です。
二股なんて、何も知らない両方の女性が可哀想だ!と言う意見も多いと思いますが、
私は、そこから先は彼ではなく、彼女達の問題だと思う。
最終的に、二股をかけるような男性を自分が好きなのかどうか、判断するのは彼女達です。
とにかく、本人が覚悟を決めて行動をするべき(とりあえず増田でぐずぐず言って物語の主人公を味わうなんて論外)。
気持ちの衝突を避け、傷つけ傷つくことを避け、幸せだけを得ようとなどするなぃ!!と言ってやりたい。
これは恋愛に限ったことではなく、友情も同じ。
人と人との関係って脆いものであって、
今どれだけ幸せでも、いつかは壊れてしまう(友情の場合疎遠になってしまう)可能性があることから目を背けず、
だからこそ「今」を大切にしていきたい。
これがカナタの人間関係に対する考え方です。
うーん、自分でも突っ込みどころは満載な気がするけれど、とにかくカナタはこういう行動原理で生きている人間。
まぁ、実際心を許せるほどの友達は少ないし、
恋愛関係は全く長続きしない(おまけにまさしく二股をかけられたりした経験もある)人生を送っているので、
それこそこの考え方がどこかおかしい、という証なのかもしれませんが…。
さて、ものすごく話が逸れてしまいました。やはりエントリを分けるべきだったか、と後悔。
話をマンガに戻しまして、
最後に、ドロドロの恋愛劇だけど面白く読めた例。
- 作者: 椎名軽穂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/01/23
- メディア: コミック
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椎名軽穂作品といえば、『君に届け』が現在進行形でかなり話題になっているので、これを読んでる人も多いかな?
『君に届け』の前作です。
男女それぞれ仲良し同士の5人が二重の三角関係の中突き進む、というすごい話なんですが、
この物語の登場人物達って、迷いながらも結局自分の「好き」という思いを最優先して行動していくんですよね。
「親友の好きな人だから…」と身を引いたりすることはなく、「私、やっぱり彼のことが好き!」と胸を張って宣言する。
だからこそ、お互い傷つけ合って、ドロドロな展開になればなるほど、登場人物達の進む先に何があるのか、すごく気になる。
ラストそれぞれのキャラの選択には、
「アンタ、こっちを選んだ方が絶対に幸せになれるのにー!!」と言いたくなる部分もありますが(笑)、
恋の楽しさ、辛さ、がぎっしり詰まった面白い少女漫画です。全6巻で、手軽に一気に読めますよ。
でも、考えてみればこの物語でも、最中心であるユキ君は一人で結構なグズグズっぷりをみせてくれてるんですよね。
でも、だからこそ、この作品が面白いのも確か。
うーん、恋愛劇を複雑かつ面白くしていくには、渦中にこういう優柔不断君が必要なのか!?
ということは、やっぱり恋愛漫画の主人公が優柔不断であることも、
その作品が面白くなることに必要な要素なのかもしれない…!
そういう観点も含めて、今後も恋愛漫画を楽しんでいきたいと思います。
漫画の中でくらい、思いっきり恋したい!!